ヤタガラスの導き


カムヤマトイワレビコノミコトは

一人船団を指揮して、

熊野の村にお着きになった。

ところがその時、

草木の中から土地神である大きな熊が

現れて毒気をふりまき、

カムヤマトイワレビコノミコトを始め兵士は

ことごとく力がなえて

気を失って倒れてしまった。

しかし、そこへ タカクラジ(高倉下)という者が現れ、

しんけんふつのみたま(神剣布都御魂)を

献じたことによって

たちまち目覚めて回復した。

「天つ神の御子、ここより奥の方には入りなさるな。

荒ぶる神がたいそう多くいる。

今、天よりヤタガラスを遣わそう。

そのヤタガラスがお前を導くだろう。

その案内する後からお行きなさい。」

こうして一行は、けわしい山道に入ったが、

(天から遣わされた)ヤタガラスの導きで川を越え、

さらに山を踏み越えて無事、

大和にたどり着いたのである。